◆「麺屋 六文銭」【宮原】
◎「もりチャーシュー」一一〇〇円+「青森生にんにく」一一〇円
…今週も何とか、週末の休日に漕ぎ着ける。
昨晩は帰りにシースーを買って、家で五日振りの酒を飲り、長椅子で座った儘、
酔いと疲労でうつらうつらしてしまい、午前零時過ぎに寝床に移動して撃沈。
勿論、熟睡は出来る筈もなく、何だか、変な夢を矢鱈と見たので、
浅い眠りを繰り返していたのだろうが、毎日そんな調子なので、日中眠い…。
朝は八時過ぎに起き出し、「ぶらり途中下車の旅」を観つつ、身支度を整え、
薬物が切れるのでホスピタり、イニシエーションを処方して貰って帰宅。
此のイニシエーションが有るから、何とか生活出来ているのだろう。
一休みした後、昼御飯と買い出しも兼ね、花粉渦巻く中をのこのこと出て行く。
彼是と廻った結果、先月十六日に久し振りに御邪魔し、其の味が以前の様な、
最盛期に近い物に戻っており、好感触だったので、一ヶ月振りに再訪。
店内に入ると、十三時前で先客四名で、先ずは券売機で食券を購入する。
前回は普通に「もりそば」に「味付け玉子」を頂いたが、今回は、
以前何度か頂き、其の味の旨さを知っている「もりチャーシュー」にし、
御店主の御薦めと言う「青森生にんにく」を久し振りに追加してみる。
食券を手渡し、止まり木にヨッコイショーイチ。
冷水を汲み、茹で時間に十二分要する麺なので、ゆっくりと焦らず待とう。
前回は出来上がり迄、十五分程掛かったが、今回は其れよりは短い印象。
麺の上には、デロ~ンと、ガイデーな叉焼が横たわっている。
先ずは、其の叉焼、萌やし、海苔をつけ汁に移動してからだ。
箸で麺を手繰り、いざ、じっくりと味わおう。
言わずと知れた、「東池袋大勝軒」で修業を積まれた御店主なので、
甘酸っぱいあの味わいだが、国産素材のみを厳選した完全無化調スープは、
下品な甘酸っぱさではなく、刺刺しさの無い、優しく、滋味が溢れる。
動物系の出汁は、豚背骨、鶏胴ガラ、拳骨、鶏油、豚背脂、豚頭骨、鶏足、
鶏頭から炊き出され、円やかでコクの有る味わいに仕上がっている。
二〇一六年の初めに、圧力鍋でプースーを拵える様になった影響で、
白濁し、随分と円やかに成り過ぎたが、全盛期の大行列だった頃の味に近い。
麺は、旧「六文銭」、現「フレンチバル セゾニエ」で打たれた自家製麺。
昨年春頃から、既製の全粒粉から、自家製の全粒粉に変えたとの事で、
玄小麦を仕入れ、より香ばしくする為に炒り、石臼挽きしていると言う拘り方。
澱粉等の混ぜ粉を使い、茹で時間を短縮し、もちもち感を出す事も出来るが、
小麦本来の香り、風味が損なわれるので其れをせず、麺を口に入れた瞬間、
広がる小麦本来の香りと風味全てを引き出す為、北海道産一〇割で、
全粒粉を始め、四種類を独自に配合していると言い、腰、張り、弾力が秀逸。
そして、「青森生にんにく」を投入。
刻んだ物を置いていた訳ではなく、刻まれたばかりなので香りが余計に良く、
青森から直送と言う高級大蒜は、辛味も程好く、パンチも効いていて最高だ。
卓上には市販の卸大蒜が有るが、矢張り、本物は格段に違う。
赤身の部位は適度な噛み応えが有るが、ホロっと解れる軟らかさも併せ持ち、
脂身の部位はとろんとろんに蕩け、其の旨さで僕も蕩けてケロイド状に成りそう。
味も確りと染み、此のつけ汁に合い、気分が豊かに成った感じだ。
二四〇瓦と言う麺もあっと言う間に平らげ、最後はつけ汁を残らず飲み干す。
開店して十八年と、此の界隈では有名店なので、此の復活基調は嬉しい限りだ。