続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺屋 六文銭」【宮原】

◆「麺屋 六文銭」【宮原】

 …昨日。
  日曜日の午前中とも成ると、憂鬱な気分が心の大半を侵蝕し始め、
  胃痛もして来て、無事に一週間を過ごせる様に祈る以外に手立ては無い。
  夢見も悪く、矢鱈と仕事の悪夢を見て魘され、夜中に何度も目が覚める。
  朝迄ぐっすり、夜中に起きない睡眠をしてみたい…。
  さて、話は遡って土曜日。
  そんな調子なので、偶の休日と言っても、睡眠負債を抱えているので、
  早起きは出来ず、八時半に起き出す始末で、午前中から目高の鉢の水替えや、
  高血圧でホスピタり、慌ただしく用事を済ませてぐったり…。
  十三時に漸く重い腰を持ち上げ、昼御飯を摂りに涼しい屋外へと出る。
  減量の為、歩いて出掛けようと、二週間振りの此方へ御邪魔する。

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 ◎「サッポロラガー中瓶」五五〇円
 …硝子戸を開けて中に入ると、おっと、満席じゃないか。
  一瞬怯み、先ずは券売機で食券を一通り購入し、女将さんに食券を手渡し、
  邪魔に成らない様、入口付近で待たせて貰い、一〇分強の立ちん坊。
  一番奥の止まり木が空き、女将さんにどうぞと促されてヨッコイショーイチ。
  満席で天手古舞いなので、野暮な催促はせず、啼かぬなら 啼く迄待とう 不如帰。
  先日、飯盛山の白虎隊の御朱印を、「一人に何分掛けるているんだ」だの、
  「手際が悪い」だの、心無い馬鹿の所為で取り止めたと言う報道も有ったが、
  客だから何でも許されると思っている勘違いの馬鹿は、公衆の面前で、
  糞でも漏らして社会的に終われ!
  さて、愚痴も済んだ所で、着席から七、八分で申し訳御座いませんと、
  女将さんから瓶麦酒と洋杯を受け取り、何ら問題無い事を告げる。
  手酌で注ぎ、グイっと呷れば、歴史の有る赤星の熱処理された程好い苦味と、
  爽快な炭酸が喉を刺激し、空きっ腹に染み入り、昼間っから幸せだ。

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 ◎「もりチャーシュー」一一〇〇円+「青森生にんにく」一一〇円
 …麦酒を飲り始め、半分程空いた一〇分程でつけ麺の御出座しだ。
  相変わらず、厚切り培根の様な大きさのデローンとした叉焼が威圧的で良い。
  麺の上に配された其の叉焼と、茹で野菜、海苔をつけ汁に一気に移したら、
  さてと、存分に味わわせて頂こう。
  二〇〇一年の新規開店以降、数え切れない程に頂き、味覚を悦ばせて貰い、
  近場で堪能出来る「東池袋大勝軒」の遺伝子の一片を受け継ぐ此の味。
  甘酸っぱさの有るあの味わいだが、つけ汁は濃厚さが有り、気持ち、
  トロっとした感じさえ有る、国産素材のみを厳選した完全無化調スープ。
  円やかさと滋味が溢れる、角の取れた優しい味わいにホッとする。
  動物系の出汁は、豚背骨、鶏胴ガラ、拳骨、鶏油、豚背脂、豚頭骨、鶏足、
  鶏頭から炊き出され、円やかでコクの有る味わいに仕上がっている。
  二〇一六年の初めに、圧力鍋でプースーを拵える様になった影響で、
  白濁し、随分と円やかに成り過ぎたが、全盛期の大行列だった頃の味に近い。
  麺は、旧「六文銭」、現「フレンチバル セゾニエ」で打たれた自家製麺
  昨年春頃から、既製の全粒粉から、自家製の全粒粉に変えたとの事で、
  玄小麦を仕入れ、より香ばしくする為に炒り、石臼挽きしていると言う拘り方。
  澱粉等の混ぜ粉を使い、茹で時間を短縮し、もちもち感を出す事も出来るが、
  小麦本来の香り、風味が損なわれるので其れをせず、麺を口に入れた瞬間、
  広がる小麦本来の香りと風味全てを引き出す為、北海道産一〇割で、
  全粒粉を始め、四種類を独自に配合していると言い、腰、張り、弾力が秀逸。
  普通盛りで二四〇瓦、茹で時間に十二分要する此の麺が好きだ。
  一通り、二週間振りの味を確かめた所で、「青森生にんにく」を投入。
  矢張り、大陸の赤化された大蒜とは出来が違い、兎に角、風味が最高。
  青森から直送と言う高級大蒜は、辛味も程好く、パンチも効いていて最高だ。
  大蒜を摂取すると、身体に生気が甦る感じがして、栄養満点で旨いな。
  さて、叉焼はと言うと、那須高原豚を炙った物で、値段に相応しい旨さ。
  つけ汁に浸されて温まり、赤身の部位はギュッと引き締まった噛み応えと、
  ホロっと解れる軟らかさも併せ持ち、旨味もぎっしり詰まっている。
  脂身の部位はとろんとろんに蕩け、甘味が有り、膠原質が豊富で有難い。
  間が空いた時期は有れど、十八年に亙って頂いて来た此の味は良いな。
  じっくりと味わいつつ、最後は大蒜たっぷりのつけ汁をグイッと飲み干し、
  食器を上げ、御馳走様でしたと告げ、大満足で退店する駄目人間…。