続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺屋 六文銭」【宮原】

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◆「麺屋 六文銭」【宮原】
 
 ◎「もりそば(中盛)」八九〇円+「トッピングチャーシュー(40g)」二〇〇円
  +「味付け玉子」一一〇円
 
 …昨日。
  一〇連休明けの社会復帰週間を何とか乗り切り、週末の休日に漕ぎ着ける。
  機能回復訓練に時間を要すも、休日だけを生き甲斐に過ごして来た。
  平日は相変わらず、睡眠負債が雪達磨式に増えて行くので、偶の休日は、
  目覚ましを掛けずに寝るのが、至福の悦びでもある。
  以前は、休日は早起きしていたが、最近は起きるのが困難で、
  此の日も八時過ぎに漸く起き出し、午前中は極めて自堕落に過ごす。
  正午を前に、買い物がてら、昼御飯を摂りに、えっちらおっちら外へ出る。
  取り立てて、何が食べたいと言うのも無く、考えるのも億劫。
  そんな時は、最近、何度目かの個人的な流行が訪れている此方に限る。
  真夏日なので、ツルっとつけ麺を啜りたくなる。
  時間貸し駐車場に停めて歩き、硝子を開けて中に入れば、何てこったい、
  満席の様で、又しても、すんなりとは座らせて呉れない様だ。
  先ずは、券売機で一通り食券を購入し、女将さんに手渡し、暫し、
  売れない売春婦の様に、一〇分強の立ちん坊。
  其の間、少し歩いた身体の火照りと暑さの所為で、噴き出す汗を拭っていると、
  女将さんが券売機上の扇風機を点けて呉れ、細やかな気遣いに恐れ入る。
  さて、席も空いたので、冷水を汲んで止まり木にヨッコイショーイチ。
  先に食券を回収されていた事も有り、五分程でつけ麺の御出座し。
  前回、一〇連休初日に御邪魔し、大好きな「青森生にんにく」を付け、
  其れ以降、大蒜摂取の機会が続き、平成最後の日、令和初日に寝込んだ為、
  今回はグッと堪えて自重し、代わりに「厚切り大チャーシュー」ではなく、
  通常の叉焼の「トッピングチャーシュー(40g)」と「味付け玉子」で。
  麺の上に配された叉焼、茹で野菜、海苔をつけ汁に移したら、さあ、頂こう。
  店内に掲げられた、故・山岸一雄氏との写真と、「宮原に旨いものあり
  特もりの忘れられないそばの味」と記された直筆の色紙が物語る様に、
  「東池袋大勝軒」の遺伝子を承継する味わいで、二〇〇一年の新規開店以降、
  数え切れない程に頂き、舌鼓を打った此の「もりそば」は、矢張り素敵だ。
  甘酸っぱさの有るあの味わいだが、つけ汁は濃厚さが有り、気持ち、
  トロっとした感じさえ有る、国産素材のみを厳選した完全無化調スープ。
  円やかさと滋味が溢れる、角の取れた優しい味わいにホッとする。
  動物系の出汁は、豚背骨、鶏胴ガラ、拳骨、鶏油、豚背脂、豚頭骨、鶏足、
  鶏頭から炊き出され、円やかでコクの有る味わいに仕上がっている。
  二〇一六年の初めに、圧力鍋でプースーを拵える様になった影響で、
  白濁し、随分と円やかに成り過ぎたが、全盛期の大行列だった頃の味に近い。
  麺は、旧「六文銭」、現「フレンチバル セゾニエ」で打たれた自家製麺
  昨年春頃から、既製の全粒粉から、自家製の全粒粉に変えたとの事で、
  玄小麦を仕入れ、より香ばしくする為に炒り、石臼挽きしていると言う拘り方。
  澱粉等の混ぜ粉を使い、茹で時間を短縮し、もちもち感を出す事も出来るが、
  小麦本来の香り、風味が損なわれるので其れをせず、麺を口に入れた瞬間、
  広がる小麦本来の香りと風味全てを引き出す為、北海道産一〇割で、
  全粒粉を始め、四種類を独自に配合していると言い、腰、張り、弾力が秀逸。
  中盛りで三六〇瓦、茹で時間に十二分要する此の麺が好きだ。
  さて、増した叉焼はと言うと、つけ汁の熱を受け、軟らかく変化している。
  那須高原豚を旨さを遺憾無く発揮して呉れ、赤身の部位はホロンと解れ、
  脂身の部位はトロっと蕩け、「厚切り大チャーシュー」でなくとも十分旨い。
  味付け玉子も又、言わずもがな秀逸で、箸で持ち上げればぷるんぷるんで、
  噛り付けば、ドピュっと黄身が飛び出し、慌てて啜る。
  最後はつけ汁を確りと飲み干し、改めて旨さに唸り、満足して御馳走様でした。