続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「富士らーめん」【浅草(つくばエクスプレス)】

イメージ 1


 ◎「つけ麺(中)」八五〇円+「メンマ」二〇〇円

 …木曜日。
  今週は引き継ぎも一段落し、業務的には落ち着いていた様な気がするが、
  連休前に片付けて置きたい事も有り、忙しなさは常に有った感じか。
  そんな一週間も何とか乗り切り、待望の一〇連休に漕ぎ着ける。
  一昨年迄だったら、黄金週間なんて地獄で、何一つ良い事が無かったが、
  こうして人様と同じく休めると言うのは、心底有難い…。
  さて、話は遡って一昨日。
  季節はすっかり夏で、鼻から椰子の木が生え、髪の毛が鳳梨に成りそうな暑さ。
  「らーめん 改」の限定麺「鴨油とこいたまごの混ぜそば」を頂こうと、
  暑い中を向かえば、遠目から見ても明らかに店外に一〇人近い待ち。
  駄目だ此りゃ、次行ってみようと、踵を返し、来た道を戻る。
  国際色の豊かではない国際通りを北上し、一路、田原町浅草六区方面へ。
  照り付ける陽射しに参り乍ら、四月五日以来、二〇日振りの此方へ到着。
  木戸を開けて店内に入ると、何とか一人は座れそうだ。
  券売機で何時も通りの「つけ麺(中)」の釦を押っぺし、続いては、
  前回は「チャーシュー」にしたので、「厚切りチャーシュー」には行かず、
  前々回に戻って「メンマ」の食券を購入し、冷水を汲み、食券を手渡し、
  V字型の突端の座り辛い位置の止まり木にヨッコイショーイチ。
  足早に歩いて来て身体が火照り、堪らずに背広を脱ぎ、冷水を呷る。
  四月で二〇度の夏日じゃ、十二月には五〇度を超えるんじゃなかろうか…。
  汗を拭きつつ、出来上がりをヂッと待つ。
  何時もの年配の女中さんの姿は無く、若干若返った女中さんに変わり、
  御店主と二人体制で、春日三球・照代と同じ編成。
  十四時を廻り、一〇分強でつけ麺が配膳される。
  相変わらず、材木の様な麺麻が大量で、此れを全て、つけ汁の海に沈める。
  すっかり御馴染みの細麺を手繰り、其のつけ汁の海にドヴンと浸して啜る。
  毎度乍ら、濃厚な動物系の出汁が出ているにも拘わらず、サラッとして、
  こってりだと重く、あっさりだと物足りないが、其の両方を適えて呉れる。
  仄かに甘味が有り、調理工程を見るに、砂糖が入っている様だが、
  嫌な甘さではなく、鰹出汁とも巧く調和し、円やかでコクが有って好きだ。
  今は無き「麺屋武蔵 江戸きん」、浅草の老舗「与ろゐ屋」で修業したと言い、
  其処で培われた手法と、夫々の良い所を取り入れたと言って良かろう。
  そして、細目の麺はと言うと、此れが、噛むとポキポキ、コリコリと音がして、
  強靭な腰と張り、表面の微かなざらつきが心地好く、箸を持つ手が止まらない。
  出入口付近には製麺機が有り、其れで打たれた自家製麺で、長野県は篠ノ井
  柄木田製粉の中華麺用粉「黒獅子」、超強力小麦粉「ちからのめぐみ」を使用。
  「黒獅子」は、力強く弾力の有る麺に仕上がり、癖の有るスープが確り絡み、
  「ちからのめぐみ」は、北海道産「ゆめちから」と長野県産「ハナマンテン」、
  二種の小麦を配合し、ロール製粉で、麩質が超強力小麦の特徴が有ると言う。
  さてさて、大量の麺麻も味わわないと減らないわね。
  麺の上に配された物は、提供前に鉄鍋で軽く熱が入れられ、香ばしくしてあり、
  最初からつけ汁に沈んでいる物は其の儘で、麺麻で二種類の味が愉しめる。
  太さも有り、ポリポリ、シャキシャキ、ゴリゴリと、様々な歯触り。
  刻み叉焼は相変わらず秀逸で、此れも鉄鍋で軽く焼かれてから投入され、
  香ばしさと共に、蕩ける脂身の膠原質の良さが味わえ、此れを増したい…。
  最後はつけ汁を飲み干し、豚骨の越幾斯と魚粉を漏れ無く摂取して退店。