◆「らーめん 改」【蔵前】
◎「鴨油とこいたまごの混ぜそば」八五〇円
…金曜日。
一〇連休の黄金週間に突入し、昨日は初日から有意義な時間を過ごせ、
幸先の良い幕開けで、今日は一先ず、何もせず、大人しくして居よう。
本当、世間様と同様に、暦通りに休めると言うのは有難い。
思わず、手を合わせたくなる…。
さて、話は遡って一昨日。
一〇連休前の金曜日、華金とも成れば、自然と気分も浮かれると言うもの。
前日に伺おうとするも、遠目から見ても分かる店外の行列に泣く泣く断念した、
此方の限定麺も残り三十五食程と連絡が入ったので、現場に急行する。
運良く、先客三人と許容範囲内で、券売機の前で間誤付いている様なので、
暫し待ち、件の食券を購入し、女中さんに手渡し、店内で待機。
程無くして席が空き、一番手前の止まり木にヨッコイショーイチ。
来たる一〇連休に思いを馳せ、冷水を呷ってヂッと待つ。
厨房内は四人体制と大所帯で、利益が出ているのだろうと容易に想像が付く。
前回の「イカ煮干しの味噌つけ麺」、「鴨中華そば」は時機を逸して頂けず、
其の前の「ピンクのベジポタらーめん」は自主的に見送った為、
四月十一日の「ラグ麺~らーめん 改Ver~」以来、十五日振りの訪店。
そして、今回の限定麺「鴨油とこいたまごの混ぜそば」が配膳される。
残念乍ら、主役の一つである「こいたまご」は無残にも黄身が決壊…。
まあ、誰にでも失敗は有る、人間だもの。
気を取り直し、箸を手に取り、先ずは全体をざっくりと混ぜ合わせる。
ぐちょぐちょ、ぴちゃぴちゃ、にちにちと淫靡で卑猥な音を立て乍ら、
予め割って頂いた黄身を中心に、底に溜まったテレレと麺を攪拌する。
すると、鴨油だろうか、何とも馨しい芳香が鼻腔を掠めて駆け抜ける。
したらば、麺を手繰り、いざ、ヅルヅルと啜ろうではないか。
ごろごろとした具がふんだんに入り、食感も様々だ。
テレレは塩味だろうか。
旨味の強い鴨油の味を害わず、上品さを演出し、執拗さを感じさせない。
「マキシマムこいたまご」なる物はと言うと、甘味種赤唐辛子等を配合した、
独自配合飼料を与える事で、鶏の健康を保ち、黄身の濃さを極限迄高めた玉子で、
確かに、橙色の濃い色をしており、自然の副産物である地養素を餌に配合し、
玉子の生臭みを抑え、甘味とコクを引き出すと言い、円やかで濃厚だ。
麺はと言うと、此方では初めての玉子入り麺と言う事で、
ぷりっとした口当たりで、モチモチ感が有り、腰と弾力も効いている。
ツルツルとした舌触りで、加水率は高目なのだろう。
具の鴨肉の叉焼は、噛むと口の中でぶりんぶりんと音を立てそうな弾力。
確りと噛み締め、じっくりと味わう。
刻み玉葱とざく切りの長葱は、辛味と風味が有り、食感の妙だ。
ぺろりと平らげ、残ったテレレも飲み干し、プクマンで帰るおぢさん…。