続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「富士らーめん」【浅草(つくばエクスプレス)】

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 ◎「つけ麺(中)」八五〇円+「メンマ」二〇〇円

 …木曜日。
  週末の休日も残す所僅かで、重苦しさは一層増し、どんよりと沈殿している。
  如何して、日曜日はこんなにも心細く、心許無いのだろうか。
  明日からは七月、下半身、もとい、下半期の始まりで、今年ももう半年足らず。
  犬と同じ速度で年老い、身体も容易じゃなく、いやはや、困ったもんさ…。
  さて、話は遡って、もっこりしない木曜日。
  此の日も運良く、独りぼっちで昼御飯を摂りに出る機会に恵まれる。
  前日は「らーめん 改」で「全部入り煮干つけ麺」を堪能したので、
  「らーめん 元楽」で背脂ヴィッチヴィチの「特製元らーめん」でも良いのだが、
  減量も兼ねて少し歩こうと、浅草六区方面へと、暑い中を遠征する。
  五月十五日以来、約一ヶ月半振りの此方へと。
  若干、建て付けが悪く成って来ている古民家風の木戸を開けて中に入り、
  小型の券売機で何時もの通りに食券を購入し、店内中程へと誘われる。
  御店主に食券を手渡し、冷水を受け取り、止まり木にヨッコイショーイチ。
  何時もの年配の女中さんの姿は無く、此の日は印度教、回教徒風の異人さんで、
  御店主と二人体制で、パックンマックンと同じ編成。
  冷水を呷り、歩いて火照った身体を冷却し、汗を拭き、更に冷水を注いで呷る。
  噴き出す汗が止まらない中、一〇分程で麺、つけ汁の順で配膳される。
  相変わらず、材木置き場の様な麺麻が何とも魅力的だ。
  其の麺麻を先ずはつけ汁に移したら、麺を手繰って浸して啜ろう。
  つけ汁は御馴染みの魚介豚骨だが、世間に蔓延るあの味わいとは一線を画し、
  粘度は低く、サラッとしているが、確りと豚骨の骨粉と魚粉が詰まっている。
  濃厚過ぎず、かと言って淡白過ぎず、絶妙な塩梅のコクとすっきり感。
  甘味は微糖程度で、酸味は無く、鰹の風味が嗅覚、味覚に訴え掛けて来る。
  今は無き「麺屋武蔵 江戸きん」、浅草の老舗「与ろゐ屋」で修業したと言い、
  其処で培われた手法と、夫々の良い所を取り入れたと言って良かろう。
  そして、細目の麺はと言うと、此れが、噛むとポキポキ、コリコリと音がして、
  強靭な腰と張り、表面の微かなざらつきが心地好く、箸を持つ手が止まらない。
  出入口付近には製麺機が有り、其れで打たれた自家製麺で、長野県は篠ノ井
  柄木田製粉の中華麺用粉「黒獅子」、超強力小麦粉「ちからのめぐみ」を使用。
  「黒獅子」は、力強く弾力の有る麺に仕上がり、癖の有るスープが確り絡み、
  「ちからのめぐみ」は、北海道産「ゆめちから」と長野県産「ハナマンテン」、
  二種の小麦を配合し、ロール製粉で、麩質が超強力小麦の特徴が有ると言う。
  さて、大量の麺麻にも気を配らないといけない。
  麺の上に配された物は、提供前に鉄鍋で軽く熱が入れられ、香ばしくしてあり、
  最初からつけ汁に沈んでいる物は其の儘で、麺麻で二種類の味が愉しめる。
  太さも有り、ポリポリ、シャキシャキ、ゴリゴリと、様々な歯触り。
  こんなに繊維質を摂ったら、御通じが良くなり過ぎてしまうわね。
  とは言え、大体はリーゲー、ゲーリー・レーシッチなので関係無いが…。
  刻み叉焼は相変わらず秀逸で、此れも鉄鍋で軽く焼かれてから投入され、
  香ばしさと共に、蕩ける脂身の膠原質の良さが味わえ、此れを増したい…。
  最後はつけ汁を飲み干し、豚骨の越幾斯と魚粉を漏れ無く摂取して退店。