続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「富士らーめん」【浅草(つくばエクスプレス)】

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 ◎「つけ麺(中)」八五〇円+「メンマ」二〇〇円

 …火曜日。
  今週は重たい苦手な業務も有り、胃が痛み、寝込みそうな毎日。
  仕事中、吐瀉しそうな吐き気を催して涙ぐむ始末で、すんすん泣きそう…。
  此の歳に成ると、一から憶えるのは脳味噌が追い付かず、時間を要する。
  何度も何度も繰り返し、反芻する様に刷り込まないと駄目だ。
  脳味噌の老化が顕著で、犬と同じ速度で歳を取っているのが明々白々。
  もう十分生きたんじゃなかろうか。
  江戸時代だったら、とっくにの疾うに御陀仏だろうに…。
  さて、話は遡って火曜日。
  三連休明けで、此の上無く重苦しい気分で週が明け、何だか調子も狂っている。
  此の日は運良く、独りぼっちで昼御飯を摂る機会に恵まれる。
  此の機会を逃すまじと、未訪の新店「中華ソバ ビリケン」を目指す。
  勇んで出掛ければ、何と、閉店ガラガラ…。
  確か、定休日は火曜日だった筈…、って、此の日は火曜日じゃないか!
  三連休だった感覚が丸で無い程で、月曜日だと思い込んでいた自分が情けない。
  遂に、起きていて寝惚けるとは、末期かもね…。
  すっかり当てを失くし、暫し茫然と、そして僕は途方に暮れる。
  気を取り直し、取り敢えず、浅草六区方面へと歩き出す。
  火曜日と有らば、此方が開いていようと向かえば命拾いをする。
  木戸を開けて中に入れば、券売機の前で中華人民共和国人家族が間誤付いている。
  彼奴等は気を遣うと言う機能が備わっていないので、後ろに人が待っていようが、
  御構い無しにのんびりと悠然と食券を購入しており、矢張り僕は運が無い様だ。
  やっと退き、何時も通りの食券を恙無く購入したらば、前回同様、
  印度、巴基斯坦系の浅黒い男性店員氏に促され、止まり木にヨッコイショーイチ。
  食券を手渡し、歩いて火照った身体を冷却すべく、冷水をグイッと飲み干す。
  後から次々に後続客が訪れ、あっと言う間に満席に近い状態に。
  噴き出す汗を拭っていると、一〇分程でつけ麺が配膳される。
  相変わらず、麺麻がたっぷりで何とも頼もしい。
  其の麺麻をつけ汁に残らず移したら、麺を手繰り、つけ汁に浸して啜ろう。
  つけ汁は御馴染みの魚介豚骨だが、世間に蔓延るあの味わいとは一線を画し、
  粘度は低く、サラッとしているが、確りと豚骨の骨粉と魚粉が詰まっている。
  濃厚過ぎず、かと言って淡白過ぎず、絶妙な塩梅のコクとすっきり感。
  甘味は微糖程度で、酸味は無く、鰹の風味が嗅覚、味覚に訴え掛けて来る。
  今は無き「麺屋武蔵 江戸きん」、浅草の老舗「与ろゐ屋」で修業したと言い、
  其処で培われた手法と、夫々の良い所を取り入れたと言って良かろう。
  そして、細目の麺はと言うと、此れが、噛むとポキポキ、コリコリと音がして、
  強靭な腰と張り、表面の微かなざらつきが心地好く、箸を持つ手が止まらない。
  出入口付近には製麺機が有り、其れで打たれた自家製麺で、長野県は篠ノ井
  柄木田製粉の中華麺用粉「黒獅子」、超強力小麦粉「ちからのめぐみ」を使用。
  「黒獅子」は、力強く弾力の有る麺に仕上がり、癖の有るスープが確り絡み、
  「ちからのめぐみ」は、北海道産「ゆめちから」と長野県産「ハナマンテン」、
  二種の小麦を配合し、ロール製粉で、麩質が超強力小麦の特徴が有ると言う。
  さて、大量の麺麻にも気を配らないといけない。
  麺の上に配された物は、提供前に鉄鍋で軽く熱が入れられ、香ばしくしてあり、
  最初からつけ汁に沈んでいる物は其の儘で、麺麻で二種類の味が愉しめる。
  太さも有り、ポリポリ、シャキシャキ、ゴリゴリと、様々な歯触り。
  此れを摘みに麦酒を呑みたい衝動に駆られる旨さで、食べても減らない量感。
  刻み叉焼は相変わらず秀逸で、此れも鉄鍋で軽く焼かれてから投入され、
  香ばしさと共に、蕩ける脂身の膠原質の良さが味わえ、此れを増したい…。
  最後はつけ汁を飲み干し、豚骨の越幾斯と魚粉を漏れ無く摂取して退店。