◆「魚定食 丸や」【いずみ野】
◎「銀ダラ（煮魚定食）」一五〇〇円
…昨日。
今週もへとへと、へろへろで週末の休日に漕ぎ着けるも、サザエさん症候群。
そんな難病を抱え乍ら、現実逃避に余念が無い。
どんな些細な事でも、生きる希望にしようと縋り付く女々しい男だ。
其の現実逃避事業の一環として、昨日は朝から土砂降りの雨の中、
気の合う同僚の方と、其の昔に何度と無く足繁く通った此方で魚定食を頂く予定。
駅から歩いて行ける距離ではない為、朝八時前に自動車を走らせ、
猛烈な尿意に耐え乍ら、用賀出入口から第一東海自動車道に入り、
港北の休憩施設で排尿し、膀胱に春が訪れた所で出立し、横浜町田出入口で出、
其の昔、月に二度は走っていた道を懐かしい気持ちで通り抜け、
十一時の一〇分前に、二〇一二年八月二十九日以来、六年九ヶ月半振りの訪店。
十一時の開店迄暫し待機し、女中さんが暖簾を出したら、いざ入店。
懐かしさに打ち震えつつ、止まり木にヨッコイショーイチしたら、
献立表に見入り、悩ましさに悶絶し、じっくりと熟考する。
そして、此方の献立表を眺めて長考に入る時が、此の世で一番心躍る時だ…。
刺身も食べたい、焼き魚も食べたい、煮魚も食べたい、丼も食べたい。
嗚呼、苦しくて、胸が締め付けられる様だ。
数多の献立の中から導き出した答えは、銀鱈の煮付け。
銀鱈の鎌の焼きも有ったが、土砂降りの涼しい陽気も相俟って煮魚気分なので。
厨房内は当時と変わらない陣容で、威勢の良い女中さんと鉄仮面の女中さん、
奥では女将さんが黙々と魚を捌き、おやっさんの姿は見えない。
後から続々と客が押し寄せ、あっと言う間に満席で、外に待ちが発生する始末。
矢張り、魚卸の此方の良さ、旨さは知れ渡っているのだな。
無音状態の中、ヂッと待つ事二十五分で、待望の煮付けが配膳される。
「御飯と味噌汁、御替わりして下さい」と女中さんが付け加えて呉れる。
ロイクーな煮汁が染みた銀鱈は、大きさこそ無いが、照りが目映い程。
先ずは味噌汁を啜れば、当時と変わらず、粗汁の様な魚の身がたっぷり入り、
魚の旨味が凝縮された味わいで、ホッとする温かさ。
さて、次は主役の銀鱈に箸を入れれば、軟らかさとむっちり感が窺える。
其れを口に入れると、ぷるんとして、トロっと蕩ける脂の乗りと、
濃い味の甘目の煮汁が確りと染み込んで、身悶えしそうな旨さ。
日本人で良かった、此方を知って良かったと、御飯を頬張って更に悶絶。
銀鱈は骨が多いのが難点だが、其れを差し引いても十分に御釣りが来る。
銀鱈を始め、代用魚であるメロこと、麻瀬蘭鮎魚女もそうだが、皮が旨い。
ムニッとして、ねっとりとした口当たりで、実に好きだ。
定食には小鉢で萌やしの和え物、御香香も付き、御飯の御替わりはグッと我慢。
折角、池中玄太と同じ体重に戻ったので…。
因みに、此の日の他の献立は…
（刺身定食）
・「ズワイカニ身」二九〇〇円
・「マグロ中トロ上」一八〇〇円
・「イワシ」、「ブリ」、「スズキ」、「ヒラメ」、「アジ」、「イサキ」一三〇〇円
・「エンガワ」一二〇〇円
・「マグロ中トロ」、「酢ダコ」、「サーモン」、「おまかせ三品」、「煮穴子」、
・「マグロ赤身」八〇〇円
（煮魚定食）
・「アブラカレイ」、「スズキ」、「ブリ」、「カジカ」、「イサキ」、
「サワラ」、「ヒラメ」、「アジ」、「イワシ」一三〇〇円
・「マグロ円盤中」、「マグロカマ」一二〇〇円
・「小イカ」、「マグロホホ」、「メイダガレイ」一〇〇〇円
・「サバ」八五〇円
（焼魚定食）
・「金目鯛干」二三〇〇円
・「うなぎ蒲焼」一九五〇円
・「ツボ鯛干」、「キンキ干」一八〇〇円
・「ブリテリ」、「スズキ」、「イワシ」、「サワラ」、「アジ」、「イサキ」、
「赤魚鯛干」一三〇〇円
・「シマホッケ」、「特大サバ」、「アジ干」、「マグロ円盤中」一二〇〇円
・「マグロてり」、「鮭ハラス」、「マグロホホ」、「鮭辛口」、「鮭からあげ」、
「カマス干」一〇〇〇円
・「サバ干」八五〇円
（丼物）
・「ズワイカニ身丼」二九〇〇円
・「海鮮丼」二三〇〇円
・「サーモン丼」、「マグロ中トロ丼」、「釜上げしらす丼」、「マグロづけ丼」、
「煮穴子丼」一〇〇〇円
・「マグロ赤身丼」八〇〇円
（単品）
・「ズワイカニ身」一四〇〇円
・「ホタテ焼（１コ）」、「ホッキ貝焼（１コ）」、「はまぐり酒蒸」五〇〇円
・「うなぎキモ焼（３本）」、「鮭からあげ」四五〇円
・「ワカメ酢みそ」、「イカ焼」三八〇円
・「マグロ血合からあげ」三五〇円
「バカ貝佃煮」三〇〇円
