続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らーめん 改」【蔵前】

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◆「らーめん 改」【蔵前】

 ◎「全部入り煮干つけ麺」一一二〇円

 …水曜日。
  毎日毎日、ぢとっとした蒸し暑さが身体に堪え、余計に疲労感が増す。
  仕事から帰り、風呂に入ろうと肌着を脱げば、絞れる程に汗でびしょ濡れで、
  微温湯で洗体して出れば、汗を流した傍から汗を掻き、風呂の意味が無い…。
  丸で、賽の河原で石を積んでは崩され、積んでは崩されしているかの様。
  汗の所為で痩せれば良いのだが…。
  さて、話は遡って、真ん中もっこり水曜日。
  此の日も珍しく、独りぼっちで昼御飯を摂りに出る機会に恵まれる。
  今月は初めての訪店なので、悦び勇んで出掛ければ、何てこったい、
  先客五人の待ちだが、まあ、仕方無いので、先に食券を購入しよう。
  漸く給料日を迎え、赤貧生活から束の間の脱出。
  思い切って奮発して、何時の日か頂こうと狙っていた「全部入り煮干つけ麺」。
  食券を購入し、店外の行列最後尾に接続し、グッと耐えて待つ。
  途中、食券が回収され、一〇分程で店内に通されてヨッコイショーイチ。
  厨房内は相変わらず大所帯で、男性二名、女性二名の四人体制。
  七月五日に「麺屋 江武里」の跡地に「中華ソバ ビリケン」が二号店として、
  新規開店する関係も有るのか、孰れにしても、何方も期待大だ。
  貝の香りが充満する中を待ち、一〇分程でつけ麺の御出座し。
  肉襞色をした低温調理の叉焼が豪勢にも四枚、卑猥な様子で横たわっている。
  其れ等の内、三枚をつけ汁に、一枚を其の儘にし、海苔もつけ汁に移す。
  キンキンに冷された器に盛り付けられた麺を手繰り、東京湾の汚泥の様な、
  洋灰色をしたつけ汁にドヴンと浸して、勢い良く啜り上げる。
  相も変わらず、ガツンと来る煮干しの味わいが強烈で、プリン体の旨味、
  煮干しの蘞味が素晴らしく、凡そ、此の色からは想像も付かない旨さを醸し出す。
  此方は青梅の名店、鯛と海老で有名な「らーめん・つけめん いつ樹」、
  支店の「らーめん 五ノ神製作所」の御出身と言う事で、「貝塩らーめん」含め、
  魚介系の使い方が絶妙で、培った手法が確りと活かされているのであろう。
  動物系も侮る勿れ、ドロッと粘度も有り、出汁も確りと効いている。
  柚子の香りが微かに感じられ、刻み玉葱の甘味も一緒に絡んで来る。
  麺はと言うと、全粒粉入りの太麺で、つけ汁が否が応でも確りと纏わり付く。
  色味はやや茶色を帯びており、粉の風味が感じられ、麺自体に旨味が有る。
  確りと冷水で〆られ、水切りも抜かりが無く、もっちりとした腰と弾力、
  むっちりとした張り、つるっとした喉越し、全てに於いて秀逸。
  さて、綺麗な桃色、若い婦女子の肉襞色をした叉焼に取り掛かろう。
  しっとりとした潤いに満ちた口当たりは勿論、ムチッとした肉感的な食感、
  淫靡で卑猥な舌触りは格別で、四切れも有ると嬉しくなってしまう。
  此れならば、さっぱりしているので、量が有っても苦も無く頂ける。
  味付け玉子は、既に罅が入っていたので、一口齧ると割れてしまう。
  ねっとりとした黄味は円やかで濃厚、味付けは甘目。
  具は他に細目の麺麻、海苔、葱。
  最後はつけ汁を残らず飲み干し、尿酸値を上昇させるポンコツおぢさん…。