続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「中華そば専門 とんちぼ」【高麗】

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◆「中華そば専門 とんちぼ」【高麗】

 ◎「特製つけそば」一一七〇円

 …昨日。
  生きる支え、一縷の望みである三連休も、遂に中日を迎えてしまう。
  普段の日曜日の朝よりは増しだが、サザエさん症候群に確実に蝕まれ始め、
  心のざわつき、ぞみぞみ感が浮足立たせる。
  来週は重たい苦手な業務も有り、出来る事なら蒸発したい…。
  そんな勇気も無いので、仕方無く生き続け、今に至る訳だが。
  さて、話は遡って土曜日。
  日常に疲弊し、心身が草臥れ果てたので、山の力で癒されようと、
  秩父へ出掛けようと試みるも、出立が一〇時半過ぎと大きく出遅れる。
  東京環状の渋滞にも巻き込まれ、日高市内に入ったのは正午過ぎ。
  昼御飯は秩父で、休業していた「麺屋たつみ 喜心」と考えていたが、
  此の分では何時に着くか読めないので、急遽、予定変更。
  鶴ヶ島から巾着田の向かいに移転し、行列の人気店と言う噂の此方へ。
  行列を覚悟で到着すれば、ん!?待ちも無く、すんなり入れそうだ。
  些か拍子抜けだが、御店主の御住まいと思しき敷地内の駐車場に停め、
  母屋の脇に設えられた店舗へと向かえば、女中さんに迎えられ、券売機と対峙。
  夏季限定の冷たい献立も有る様だが、初めは矢張り、無難につけ麺で。
  折角なので、具の全部入りであろう「特製つけそば」の食券を購入。
  止まり木へと案内され、厨房内の御主人に手渡し、冷水を汲んで待機。
  饒舌に朗らかに調理、接客をされる御主人から、麺の量を訊かれ、
  並盛りは二〇〇瓦だが、無料で三〇〇瓦に増せると言うので御願いする。
  出来上がりをヂッと待っていると、後から来た二人連れが酒を発注している。
  此方は珍しい事に、御店主御薦めの日本酒を提供している様で、
  今は佐賀県の「鍋島 純米吟醸 風ラベル」との事で、何だか粋で宜しいわね。
  さて、そうこうして居ると、先に別皿で具が提供され、てんこ盛りで心丈夫。
  そして、つけ汁と麺も御出座しで、いざ啜ろう。
  と其の前に、先ずは麺麻、味付け玉子、叉焼、海苔をつけ汁に移せば、
  警戒水位を超えて溢れそうに成り、慎重に麺を手繰って浸して啜る。
  おおっ、煮干しの風味が薫るが、ガツンと来る感じではなく、程好い感じ。
  此方の修業先である荏原中延の名店「中華そば専門 多賀野」譲りだろうか。
  未訪なので何とも言えないが、「多賀野」の「豚と鴨のつけそば」は、
  鶏、豚、鴨、鰹節等から出汁を取り、蕎麦の鴨蒸籠に手掛かりを得たと言うが、
  其の製法を受け継いでいる様な味わいで、久し振りに唸る旨さのつけ麺。
  無化調なので、優しい口当たりで、刺刺しさは微塵も無い。
  又、提供直前に煮干しを煮出す「追い煮干し製法」で、道理で馨しい訳だ。
  麺はと言うと、少し茶色を帯びており、緩やかな縮れの効いた自家製麺
  小麦の胚芽も一緒に挽かれている様で、ぷりぷりとして躍る様な食感と、
  大地の恵みを感じさせるかの様な、膨よかな粉の風味が伝わって来る。
  いやはや、恐れ入谷の鬼子母神だ。
  具の叉焼は三切れ入るが、バラ肉の煮豚が二切れ、腿肉の焼豚が一切れ。
  煮豚は蕩ける軟らかさで、ぷるんぷるんで膠原質たっぷり。
  焼豚は香ばしさが有り、確りとした噛み応えだが、さっくりと千切れる。
  麺麻もたっぷりと惜しまず入り、味付け玉子は黄身がねっとりと濃厚で半熟。
  海苔は蒲田の老舗から直送と言うから、「守半總本舗」の物かしら。
  ぺろっとあっと言う間に三〇〇瓦の麺を平らげ、具がてんこ盛りなので、
  却って余る程で、最後はつけ汁を割らずにグイッと飲み干して御馳走様でした。
  十一時半から十四時半のみの営業、且つ、人気行列店なので敷居が高いが、
  こうして運良く頂けたので、三連休は幸先の良い滑り出しだ…。