続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「完全無添加うに専門店 うに小屋」【高田馬場】


 …昨晩。
  今週は、土曜日の晩の愉しみだけを生き甲斐に生き永らえたと言って良い。
  夢だった雲丹専門店で、明礬臭くない、塩水雲丹を存分に味わいたいと、
  先週の内から予約を入れ、十八時過ぎに高田馬場に到着し、此方を目指す。
  「産直屋」と言う系列が営む店で、プリン体フェチとしては堪らない店。
  店に到着し、一階と二階が有り、一階席へと案内されてヨッコイショーイチ。

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◎「生ビール(サントリー プレミアムモルツ)」五九四円
 …御絞りを受け取り、献立表を眺め、取りも直さず、先ずはルービー発注。
  徐々に予約客で埋まり始め、サタデイナイトヒーヴァーの様相。
  若い女中さんに運んで貰い、蒸し暑さを跳ね退ける様にグイッと呷る。
  肌にヴェットリと纏わり付く様な不快な湿気が、尻尾を巻いて退散して行く。
  忘れた頃に御通しが登場し、濃厚汲み豆腐との事で、塩が振ってある。

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◎「緑茶割」四三二円
 …一通り発注を済ませて待っていると、あっと言う間に麦酒が空いてしまい、
  ずっと麦酒を呑み続けると、プリン体プリン体で足の指が腫れてしまうので、
  一旦、「緑茶割」に回避してみる。
  こうも暑いので、冷却する為の水に過ぎない程に呑んでしまう…。

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◎「無添加うに刺し(4種盛り)」三一三二円*二人前
 …初っ端から、愈愈、本日の主役の御出座しだ。
  夢に迄見た、明礬臭くない、無添加の塩水雲丹。
  「本日の盛り合わせ」として、「2種盛り」から「5種盛り」迄有り、
  二人前より発注可能と言うので、一番人気の「4種盛り」にしてみる。
  女中さんが丁寧に産地や種類を説明して呉れ、右下の物から反時計回りに、
  高級に成って行くと言い、否が応でも期待が高まる。
  醤油は使用せず、塩水雲丹なので其の儘、若しくは、別皿の塩、山葵で頂く。
  先ずは右下の函館産の北紫雲丹から。
  一口入れた途端、塩水の程好い塩気と、雲丹の持つ甘味が舌の上で溶け出す。
  嗚呼、馬鹿みたいに旨い…。
  四種類の内、一番安価な雲丹から行き成り打ちのめされる。
  次は右上の小樽産の蝦夷馬糞雲丹。
  北紫雲丹よりも濃厚で、甘味が強い印象で、旨過ぎて余計に馬鹿に成りそう…。
  左上は古平産の北紫雲丹。
  函館産の物よりも、味が強いが、さっぱりしているが、旨味が犇めき合っている。
  何てこったい、一々旨いじゃないか。
  そして、此の中で最高級と言う左下の利尻産の蝦夷馬糞雲丹。
  今は無き「鮨処 いっしん」さんで頂いた雲丹を思い出し、塩味、甘味、旨味、
  孰れを取っても秀逸で、こんなに旨いだなんて、馬鹿じゃなかろうか…。
  原価率八割と言う、採算度外視の旨さに、脱帽してもし足りない。

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◎「殻付き牡蠣(一ヶ目)」一〇七円*二個
 …此方は雲丹だけでなく、冬は白子も有り、今は牡蠣も有ると言う。
  然も、何と、一個目は九十九円、二個目でも一九九円と言う、正に価格破壊。
  厳選した安全で旨い国産しか使わないと言い、季節に依って北海道、三陸
  四国から仕入れるとの事で、ポン酢をぶっ掛けてチュルンと口に入れ、
  勿体無いので、一口で行かず、半分ずつ頂いても、濃厚で円やか。
  此れで冬場に白子も揃ったら、痛風発症覚悟で、金を溜めて来ないといけない。

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◎「雲丹グラタン」一六二〇円
 …温かい物も折角なので頂いて置かないと駄目だ。
  数量限定と言う、此方で人気の「雲丹グラタン」を発注。
  武田久美子も吃驚な帆立の貝殻の状態で、こんがり狐色が配膳される。
  ズーチーが香ばしく濃厚で、中にマカロニは入っていないが、
  ふわふわとしつつも硬質な白テレレは、濃密で円やかさが際立つ。
  具は海老、烏賊、帆立貝が入り、魚介たっぷりな上、仕上げは雲丹だ。
  グラタンが焼き上がった最後に乗せ、火炎放射器で炙ったと見られ、
  火が通り過ぎず、半生で蕩ける味わいで、延々と食べて居たい…。

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◎「鼎 純米吟醸(グラス)」七四五円
 …普段、日本酒は滅多に呑まないが、今回ばかりは呑まずには居られない。
  況してや、日本酒の品揃えも豊富で、幻と言われる「十四代 龍泉」も有り、
  会員価格で二〇〇〇〇円と言い、呑める筈も無いので他を当たる…。
  高知県の「酔鯨 純米吟醸」を発注するも、何てこったい、切らしているとな。
  気を取り直し、半分血が入っている長野県の酒にしてみよう。
  父親の出身の上田市の隣、旧・丸子町に在る「信州銘醸」の「鼎」。
  全国で十数店舗でしか販売されていないと言う、稀少な酒の様だ。
  
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◎「日高見 純米酒(グラス)」六三七円
 …肴が余りにも旨いので、酒が捗って仕方が無い。
  味も大して分からないが、どんどん呑んでしまおう。
  宮城県石巻市平孝酒造」の「日高見」と言う物を発注。
  刺身や寿司と合わせれば、右に出る物の無い程、確りと辛口だが、
  優しい旨味が広がる傑作と言う謳い文句で、雲丹を摘んで頂いても、
  違和感無くスッと入って来るのだから、きっとそうなのだろう…。

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◎「雲丹と肉刺し(雲丹+赤身ロース)」五二九円*二人前→無料
 …来店して直ぐに、優待券の画面を提示していた物が運ばれて来る。
  何と、贅沢にも、最高級の無添加雲丹刺しと日本一の熊本産馬刺しの相盛り。
  個人的には、長野県の血が入っているので、馬刺しは長野県が一番だが…。
  其れは兎も角、此れをロハ、ダーターで頂けるなんて、夢じゃなかろうか。
  頬っぺたを抓ったら痛かったので、きっと此れは現実なのだろう…。
  此れも醤油は使わず、別皿の塩を塗して食べる様にと忠告される。
  馬刺しは赤身なので、むっちりとしつつも、舌に吸い付く様なしっとり感。
  噛むと甘味が増す所に、雲丹の甘味が追い打ちを掛ける。
  「うにく」とは良く言った物で、こんな贅沢をしたら罰が当たるな。

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◎「黄金さば刺し」一〇二六円
 …此方は雲丹だけではなく、魚も行けるらしい。
  博多で頂き損ねた生鯖だが、此方に御薦め品として有るので、透かさず発注。
  黄金鯖と言えば、三浦半島は松輪港で水揚げされる松輪鯖。
  三浦沖で一本釣りされ、極力人の手が触れない様に、出荷直前迄生かして運び、
  生食出来る程の鮮度が保たれ、七月以降が脂が乗って旨い時期とされているが、
  其の身は見るからに脂の乗りが確認出来、実際に此れを頂いてみれば、
  鰤や間八の様な脂の乗りで、口内の温度で融ける程の旨さで、おぢさん吃驚。
  此れも又、延々と食べて居たい旨さで、御替わりしたい気持ちを抑えるのが大変。

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◎「豊香 純米生原酒(グラス)」五四〇円
 …土曜の夜だ、偶にはパーッと行こうではないか。
  只でさえ、縮こまって羽根も伸ばせない様な鬱屈した毎日なんだから…。
  又しても長野県の酒から、岡谷市の「豊島屋」の限定流通商品と言う稀少な物。
  其の名の通り、豊かな香りが広がり、華やかな味わい。
  日本酒は無知な馬鹿舌、貧乏舌に呑ますには勿体無い酒であろう…。
  おぢさん、すっかり良い心持ち。

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◎「無添加うに刺し(白 キタムラサキ)」一六二〇円
 …日本酒もくいっくい捗ってしまうので、今度は肴が足らなくなる。
  流石に、「4種盛り」は無理なので、一番安価な此れを頂こう。
  先程の「4種盛り」で言う所の函館産の北紫雲丹。
  塩水の塩気がとても心地好く、何度も言うが、甘味が芳醇で蕩けてしまう。
  馬穴一杯の雲丹を蓮華で掬って食べる夢は叶わなかったが、こうして、
  少しずつちびちび摘んで頂くから良いのかも知れないな。

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◎「いくら丼」一九四四円
 …さて、名残惜しいが、そろそろ、〆に向かう準備に取り掛かろう。
  「うにイクラ丼」は三七八〇円もするので流石に無理。
  嗚呼、石油を掘り当てたい…。
  「うにイクラ丼」が無理なら、せめて「いくら丼」を頂いてみよう。
  ぷちぷちと力強く弾ける鮭子が、口内で次々に爆発して行く。
  出汁醤油の上品な味わいと、旨味の塊・プリン体が混ざり合う様は快楽的。
  鮭子を一粒ずつ摘んで、ちびちびと酒を飲って駄目に成ってしまいたい…。

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◎「うに屋のTKG」一五一二円
 …さて、正真正銘、最后の〆は此れ。
  正にプリン体祭りの極み、究極と言って良いだろう。
  無添加の生雲丹、鮭子、飛び子に生玉子が落とされて浅葱と一緒に、
  此れに出汁醤油をぶっ掛け、ざっと攪拌して匙で頬張る。
  もう、旨いと言う陳腐な表現しか出て来ず、筆舌に尽くし難い旨さ。
  飛び子の細かいぷちぷちと、鮭子のぷちっと力強く弾ける食感と、
  雲丹の芳醇で濃厚な甘味、生玉子の円やかで滑らかなコクが素晴らしい。
  最期の晩餐は此れが良い…。

 二〇時を廻り、余韻に浸り乍ら、夢心地で帰宅する痛風予備軍のおぢさん…。