◆「麺座 でん」【南越谷】
…今週もえっちらおっちら、やっとこさっとこ、週末の休日に漕ぎ着ける。
八月も最終日で、明日からは九月と来たら、そろそろ年越しの準備を始めないと。
今朝は八時前にゆっくりと起き出し、目高の鉢の塵掬いをすれば、朝から汗だく。
極めて自堕落に過ごし、十一時過ぎに家を出る。
十三時半から独唱会を観覧にする為、南越谷へと向かう。
正午過ぎに到着し、先ずは昼御飯と景気付けの一杯が必要。
奇を衒わず、今年で創業十六年目と言う老舗の此方に初訪店。
足越線こと、東京都道・埼玉県道四十九号足立越谷線沿いに歩いて到着。
店外の券売機で食券を一通り購入し、店内に入り、席へと案内される。
◎「生ビール(グラス)」四五〇円
…女中さんに食券を手渡し、席にヨッコイショーイチすると、
先に麦酒を出して良いか訊かれ、そうして呉れると有難いとばかりに御願いする。
数分の後、印刷された戎様が剥がれ掛けた小さ目の洋杯が運ばれて来る。
此の大きさなら四〇〇円、若しくは、ジョッキで此の価格だと嬉しいが、
此の御時世だから致し方有るまいと、グイっとプリン体を呷る。
蒸し暑い中を少し歩いたので、良く冷えた麦酒は、昼間っから癒して呉れる。
◎「特製つけめん 大盛(330g)」九八〇円
…麦酒を大事に大事に呑み乍ら、半分を切った辺りでつけ汁が先に運ばれる。
厨房内からは、麺を笊に移し、冷水で濯ぐ音が聞こえる。
つけ汁だけが寂しげに放置され、彼是、二、三分経った後、麺も揃う。
待ち切れず、先ずは麺を手繰り、つけ汁にドヴンと浸して啜る。
其りゃ、つけ汁も温く成ってしまうわね…。
まあ、其れは兎も角、つけ汁の味は所謂一つの魚介豚骨のあの味わい。
豚骨や鶏ガラ等の動物系素材を十二時間以上炊いて、濃厚な味を引き出し、
鰹節や煮干し、昆布等の魚介系を合わせると言い、其処に砂糖と酢が加わえられ、
甘酸っぱさも感じられ、昔懐かしい味に仕上げたと言う。
遠くの方で、「東池袋大勝軒」っぽさが感じられなくもない。
檸檬の欠片が入っているので、爽やかさも顔を覗かせる。
麺は複数の小麦粉を配合して風味を増したと言う自家製麺。
適正な温度で管理し、ラーメン用の麺は、打ってから一晩寝かせると言うが、
つけ麺用の麺は、其の日の内に使い切ると言う謳い文句。
茹で時間に八分を要すると言うが、中太と言った太さで、ツルツルした食感。
強靭な腰と言う感じではないが、三三〇瓦の量感は丁度良い。
具の叉焼は三枚入り、脂身の少ないロースの部位で、むっちりとしている。
しっとりとして、程好い噛み応えで、味も確りと染みている。
味付け玉子は半分に切られており、黄身は半熟で、ねっとりと濃厚で良い。
海苔はふやける前に頂けば、磯の風味が強く、実に旨い。
「麺屋 六文銭」で海苔増しにして、麺と一緒に頬張るのも旨いだろうな。
具は他に麺麻、葱が入り、最後はと言うと、此方はスープ割りが、
「あっさり割り」、「こってり割り」の二種類が有ると言うが、
御構い無しにグイッと飲み干し、マイトガイに会いに行くぽっちゃりガイ…。